企画に重要な3つのマーケティング要素
商品のPR代行を請け負う際に新商品であれば、リリース原稿の作成から始まります。
お仕事の相談を受けるタイミングをいつも気にしてしまいます。パッケージデザインが仕上がり印刷会社にデザイン入稿する前の企画段階で相談をいただけたらと感じる事も多々あります。リリース原稿を作成する場合必ずヒアリングさせていただくのが「市場に対する投入時期」「他社との差別化(訴求点)」「市場での需要性」の3つです。PR代行として、メディアや著名人に情報を届け取り上げていただく為に、説明するのに必要な情報ですが、商品販売においても売上に繋がる重要な要素になります。私自身が、メーカー勤務時代に失敗した内容を本日はご紹介させていただきます。
■市場に対する投入時期
とあるカテゴリーの商品が最近売れているという情報をキャッチして、鼻息荒くあわてて商品を開発し、店舗のバイヤーに取扱っていただけるよう提案したところ、既に似たような商品が多く発売されており飽和状態。新しく導入する棚のスペースが無く、既存商品との差別化要素が無いと「取扱う理由が無い」とまで言われてしまいました。先行者利益という言葉があるように、市場に需要があったとしても、先行プレイヤーが多数存在した場合、このような結果になってしまうので注意したいです。
直近の事例をご紹介しますと、「ココナッツオイル」がテレビや雑誌などのメディアでミランダ・カーや道端ジェシカさんが愛用しているなどと紹介され、多くの食品輸入事業者がインドネシアやフィリピンなど様々な国から仕入れ店頭の棚に並び終った後には、追加で入る隙間が無く輸入した商品の在庫処分に頭を抱えているという声を沢山聞きました。オイルだけでなく「ココナッツオイルサプリメント」「ココナッツスムージー」「ココナッツチップス」など、ココナッツオイルを利用した商品も複数でました。
新しい市場に参入する場合「認知・啓蒙」の時間とコストがかかるが、先行者利益としてのメリットもあります。既に先行者が存在する場合、二番・三番までは「おこぼれ」的な恩恵を得ることが可能ですが、参入者が飽和状態であれば棚に並ぶこともできません。私の「おこぼれ」経験では、カテゴリーランキングの4番のポジションを獲得し、販売価格1,000円の化粧品で年間2億円の店頭売り上げを獲得した経験もありました。
■他社との差別化
「デザイン」「成分」「監修者」「キャッチコピー(切り口)」「価格」など、差別化要素は複数あります。差別化が多いオンリーワン商品を企画できたら素晴らしいのですが、既にライバルが存在する場合、差別化を用意するのも大変です。商品企画の段階で、コンセプトを含めた差別化がいくつ用意できるか?用意することができない状況であればその商品を製品化することは断念する判断も必要になる。差別化の用意に苦戦した場合、利益率は下がるものの最終手段は「価格」という戦略もある。他社より安い価格設定で似たようなスペックの場合、消費者が安い商品を選択することもあります。
■市場の需要性
売上を獲得するという点で一番重要なのは「需要性」です。投入時期もタイミン良く、差別化も充分に用意できたとしても、需要が無い商品であれば回転率が悪く販売の結果が出ません。需要性を高める施策は複数あるものの、「認知・啓蒙」の時間とコストがかかる事を事前に理解しておかないと収支計画が大幅にズレてしまいます。新規性の高い商品であれば、需要性の調査は充分にすることをお勧めしております。
企画に重要な3つのマーケティング要素!
