【売れる化粧品企画】売れる理由を基本プロセスから考える

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世の中に存在する、すべての商品は、企画~開発、マーケティングといった、一連の商品企画プロセスを辿って誕生しています。そして同じようは商品なのに、「売れる商品」「全く売れない商品」に分かれることも多々あります。その違いは何でしょうか?一般的に、商品企画とは、商品のコンセプト、機能・性質(処方)、パッケージ(仕様)を企画する仕事を言います。なかには、広告・販促といったマーケティング分野にも関わることがあります。

まず、売れる商品には5つの条件があります。多角的な視点で分析したこの条件に沿って2軸の施策を行うことで、最適化へのサポートをしています。

❶ 価格は適正か? … A
❷ 市場のニーズに合っているか? … B
❸ デザインを含めたブランディングができているか? … A
❹ 分かりやすく、伝わるキャッチコピーになっているか? … B
❺ コンセプトと商品の整合性が取れているか? … B

A/弊社グループのコスメ会社で培ったデータと経験値を元に、適正なブランディングと価格付けを行う。
B/コスメプランナー、美容ライターなど専門家のノウハウにより、商品の良さを最大限に打ち出すことが可能。

この施策により、根拠と実績に基づいた商品開発・監修が可能です。
本記事では、弊社が手掛けたコスメブランド「ママライン」が行った実際の商品企画の流れから、売れるモノづくりに大切なことを考えていきます。それでは早速、「ママライン」のゼロから発売されるまでを例に、商品企画の各プロセスをみていきましょう。

【1:コンセプト設計】

どのようなブランド・商品をつくるのかを考えます。そして、売れる商品、愛される商品のコンセプト設計には、なによりも市場調査が重要です。いま、どのような商品が売れているのか、どのようなニーズがあるのかを調査することによって、向かうべき方向性を設定します。
「いいものだから売れる」といった、商品主体でターゲットを決めることを「プロダクトアウト」と呼ばれます。「プロダクトアウト」の場合、ニーズがあるのか分からない状態のため、リスクが高いと言えます。一方で、ニーズを読み取って、狙うべきターゲットに向けた商品を企画することを「マーケットイン」と呼ばれます。そして、ほとんどのケースが「マーケットイン」の考え方で行われています。
「ママライン」の場合、マーケットインの考え方によって、オーガニック嗜好の高まり、ママ&ベビー向けスキンケア市場の拡大を見て、「ママが安心して使えるオーガニックコスメ」とコンセプト設計しました。

【2:価格・ラインナップ決め】

コンセプトをもとに、どのぐらいの価格で売るのか、どのようなアイテムが必要かを考えます。これは、原価によって価格を決定するケースもあるため、処方設計を行いながら調整することもあります。
しかし、大まかな価格設定が行われていないと、仕様の幅が広くなりすぎて検討が難しくなるほか、ターゲットも大きく異なります。そのため、あらかじめ価格・ラインナップは検討する必要があります。
価格・ラインナップも、【1】と同様に市場調査による情報が重要になります。どの価格帯が売れていて、どのような種類のアイテムが人気なのかを、現在のニーズに加えて、潜在的なニーズも探ります。
ママラインの場合、人気ブランドに中価格帯が多く、低価格帯のブランドが少ないことをヒントに、実際のターゲット層に聞き取り調査を行ったところ、低価格帯に潜在ニーズがあることが分かりました。加えて、「片手で使えるボトル型が人気」「大容量がいい」といった声を手掛かりに、「大容量のポンプ型」といった仕様設計のヒントも得ることができました。
さらに、およその発売見込み時期から考え、その時期にニーズのあるアイテムを探り、「UVミルク、ボディクリーム、ハンドクリーム」といったようにアイテムを決定します。

【3:処方設計】

コンセプト、希望の価格帯、アイテム、おおまかな仕様が決定すると、いよいよサンプルの製造に入ります。自社研究所を抱えているような大手メーカーであれば、自社で開発を行いますが、ほとんどの場合、製造メーカー(OEM)とタッグを組んで開発します。製造メーカーに「このようなものを作りたい」と、【1、2】で設計した情報をもとに相談します。「このような成分も人気ですよ」など、製造メーカーからの提案があるケースもあり、一致団結して、より良い商品づくりを目指します。そして、試作を繰り返して、理想の処方に近づけていきます。

【4:デザイン作成】

中身が決まりだしたら、見た目をつくっていきます。ブランドロゴ、ラベルのデザイン、背面の説明書き、アテンションシールの有無など、その商品の魅力が、店頭で瞬時に伝えられるよう、ベストな見た目づくりを検討します。
デザインにおいても、想いの一方通行にならないよう、「どのようなデザインが人気なのか、いま刺さるワードとは」など、市場のニーズを大切に考えながら行います。

■商品企画は、処方が決まった後も重要

上記、1~4までを経て、いよいよ商品が完成します。企業によっては「商品企画」というと、これら1~4までのステップを指すことが多いのですが、このあとのプロセスも大変重要です。それがマーケティングです。この商品をどのように世に出すのか、といった広告・宣伝・PR手法を考えます。
ママラインの場合、イメージモデルを第一線で活躍する人気モデルでありながら、ママでもある美香さんを起用しました。ただ「人気」「ママだから」、といった理由だけではなく、商品のコンセプトのイメージ「ボタニカル」のナチュラルさややさしさを体現できることも、起用の理由です。
このように商品企画から一連の流れとして、マーケティングを考えることで、このようにブランドコンセプトの軸からブレずに、一貫して世に出すことが出来ます。

■新商品の8割が初回廃盤になるという厳しい現実

OEMの方から「新商品の8割がリピートなしで廃盤になる」という事実を教えてもらいました。供給過多であるため、商品の中身を考えるだけではなく、売り方を考えることも商品企画の重要なポイントです。
人気アイテムを作れば売れるというわけではなく、流通量が多いアイテムは大手メーカーが独占しているからこそ、中小企業は小カテゴリーのアイテムを狙うという手もあります。また、今っぽいカッコよさを出せば売れるということもなく、一見野暮ったく見えるものも、販路によっては「親近感がわきやすい」と、ヒットすることもあります。ニーズ多様化にあわせて、多角面的な情報を検討したうえで、構想を練る必要があるのです。

「いいものなのに売れない」と悩む方はとても多く、ヒット商品をつくるのはとても難しいことです。そんな難易度の高い商品企画だからこそ、基本的なプロセスを丁寧にたどりながら、攻め方も同時に考えることが求められるのではないかと考えます。多数のヒット商品に関わってきたスペシャリストらが、商品企画やコンサルティングをサポートしています。また、販路の開拓だけでなく、在庫に関する「倉庫代金」「近づく消費期限」などの不安を解決すべく、在庫処分の代行も承ります。

■在庫処分とは

「作りすぎてしまった商品を処分したい」「消費期限が近付いてきた商品を処分したい」、そういったご相談をよくいただきます。せっかく作った商品も、「売れなかった、でももったいないから……」と温存させておくと、さらに消費期限や売れるタイミングまで逃してしまい、本当に“捨ててしまうしかない”ことになりかねません。また、倉庫代などの保管に関する費用もかかります。
弊社では多数の事例を用意してお待ちしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

商品企画サービス:http://cross-b.jp/products/
販路開拓支援サービス:http://cross-b.jp/retail/
ママラインブランドサイト:http://www.virtue-ec.com/mama/